脂漏性皮膚炎について
主な症状
抜け毛
脂漏性皮膚炎を発症して毛穴の奥に炎症が起きると、成長を妨げられた髪の毛がやせ細って抜け毛が増加します。こうした脂漏性皮膚炎が原因で起きる脱毛を脂漏性脱毛と呼びます。
フケ
脂漏性皮膚炎を発症すると早い段階でフケが増加します。そして症状の進行に伴ってフケの量がさらに増えていきます。
・頭皮の臭い
増加した頭皮の皮脂が毛穴に詰まって酸化することで、頭皮が油っぽい嫌な臭いを発するようになります。
痒み
脂漏性皮膚炎の初期段階で痒みが出始めます。そして症状の悪化に伴って痒みが強くなっていきます。
炎症
脂漏性皮膚炎の原因菌が分泌する脂肪酸の影響で頭皮に炎症が起きます。症状が軽い場合は痒みを感じる程度ですが、症状が悪化することで強い痛みを感じる場合があります。
発症原因
脂漏性皮膚炎を発症する原因はマラセチア菌という毛穴に存在する常在菌です。現在までに11種類のマラセチア菌が見つかっていますが、その中でもマラセチア・グロボーサという種類が脂漏性皮膚炎に関わっていると考えられています。
誰の頭皮にも存在する日頃は無害な菌ですが、頭皮の皮脂分泌量が増加した際にマラセチア菌が増殖することで、痒みや炎症、抜け毛といった様々な症状を引き起こします。頭皮の皮脂は主に思春期や成長期といった体内の男性ホルモンが増加した時期に多く分泌されるため、脂漏性皮膚炎も基本的には20代以下の若い男性が発症する症状です。
しかし、近年は生活習慣の乱れなどが原因で20代以下の男性に限らず女性や中年男性などの様々な人々の間に脂漏性皮膚炎が広まっています。
脂漏性皮膚炎の対策方法について
皮膚科に通う
基本的には皮膚科に通って医師の正しい治療を受けることが大切です。治療薬を使用する場合も副作用を発症するリスクがあるので、市販の薬を購入するよりも医師の診断を受けて処方してもらう方が安全に使用できます。症状にもよりますが、一般的には皮膚科の治療によって4~6週間程度の期間で治せます。
痒みを抑える薬
ステロイド剤
ステロイド剤とは薬効成分にステロイドを配合した薬のことです。炎症を抑える作用があるので、脂漏性皮膚炎が原因で起きる頭皮の痒みや痛みを緩和できます。しかし、ステロイド剤は効果に比例して副作用が強くなるので、市販薬を購入するよりも皮膚科で適切な濃度のステロイド剤を処方してもらうことが大切です。
抗ヒスタミン剤
痒みの原因であるヒスタミンの作用を抑えることで痒みを軽減する薬です。そのため脂漏性皮膚炎による痒みを抑えられますが、配合されている成分に眠気を引き起こす副作用があるので使用する場合には注意が必要です。
生活習慣の改善
頭皮ケア
洗浄力が強すぎる石油系のシャンプーを使用することが原因で頭皮が乾燥して、それによって増加したマラセチア菌が脂漏性皮膚炎を引き起こしている場合があります。そのため脂漏性皮膚炎を発症した場合は頭皮に優しいアミノ酸系のシャンプーを使用することが大切です。
アミノ酸系のシャンプーは育毛シャンプーとも呼ばれており、脂漏性脱毛以外が原因の抜け毛予防にも役立つので薄毛を気にしている方には特におすすめです。また紫外線による刺激が脂漏性皮膚炎を悪化させる可能性があるので、発症後は帽子を着用することが大切です。
食事
高脂肪食品や高カロリー食品を多く摂取すると、身体が余分な脂肪分を体外に排出しようとするため頭皮の皮脂分泌量が増加します。それが原因で脂漏性皮膚炎を発症したり、発症後に症状が悪化する場合があるため、脂漏性皮膚炎対策にはヘルシーな食生活を送ることが大切です。
そしてビタミンBには皮脂の分解を促進する作用があるので、脂漏性皮膚炎を発症した方はビタミンBが多く含まれた卵やホウレン草、牛乳などの食品を積極的に摂取することが大切です。
AGAと併発した場合
脂漏性皮膚炎を発症した方が抜け毛予防などを目的に育毛剤を使用すると、育毛剤に含まれている成分が頭皮に刺激を与えて脂漏性皮膚炎の症状を悪化させる場合があります。そのため、脂漏性皮膚炎とAGAを発症した場合は、先に脂漏性皮膚炎を治療してからミノキシジルなどが配合された育毛剤を使用することが大切です。

このコラムが気に入ったら
ぜひ「いいね!」をお願いします♪
みんなに役立つ情報をお届けします。